『和歌山毒物カレー事件』とは、1998年7月25日和歌山県の地域のお祭りで起きたカレーに毒物を混入させた無差別殺傷事件のことです。
死傷者は、67人におよびその内4名が死亡するという残虐な事件です。
事件の犯人は、2009年に林真須美(現59歳)とされ、殺人罪等の容疑で死刑判決を受けています。
しかし、林真須美死刑囚の弁護人から2021年6月9日に和歌山地裁に再審請求を申し立てた事が明らかになりました。
その内容とは、『第三者による犯行は明白で林死刑囚は無罪』であることを主張しています。
実は、今に始まった事では無く事件当初より『真相は冤罪ではないか!?』と言う噂が流れていたのです。
しかし、なぜそのような情報が出回っているのか?
23年経過した今も無罪を主張しているのは何故なのでしょうか?
冤罪と言われている理由とは?
この事件の犯人が冤罪と噂される理由には、事件当時のずさんで適当な捜査・裁判・報道が多くあったからと言われています。
事件発生から23年の間で、過去の誤情報や情報の改ざん、食い違いなど『冤罪ではないか?』と思わせる真相と理由が複数挙げられてます。
判決文には『物的証拠』が一切出ていない!
林真須美死刑囚の子息である長男が、取材で明かした情報によると、死刑判決を下された裁判の判決文を読んでも明確に犯人と示す証拠が無かったと語っているのです。
また、林真須美死刑囚は、2009年の判決以降、一貫して犯行を否定しています。
家族の証言は一蹴!一貫性の無い住民の証言と誤情報だけを報道した!
当時小学生だった林真須美死刑囚の長男と中学生の次女である家族の証言は信用されず、一蹴されたと言います。
報道等では、カレーの見守り番は、林真須美死刑囚が1人で行っており、その間に毒を混入させたとなっています。
しかし、林真須美死刑囚および家族の証言は異なりました。
林真須美死刑囚と次女の証言は、『カレーの見守り番は、林真須美死刑囚と次女の二人でしており、次女はカレーの味見もした』としています。
しかし、母親の無罪となり得る情報はもみ消され、犯人と疑われる情報だけが優先して採用されたと語っています。
不十分な状況証拠にも関わらず犯人と決めつけている!
事件の真相を追ったノンフィクションライターの片岡健さんのインタビューから、犯行当日の目撃情報のうち事実と異なる点がある事がわかってきています。
林真須美死刑囚がカレーの蓋を開けていた目撃証言は誤情報!
当時、林真須美死刑囚がカレーの鍋蓋を開けていたとの目撃証言があったそうです。
しかし、目撃者が見た位置からでは、ヒ素が入っていたカレー鍋は(鍋は二つあった)死角となっており見えるはずが無かったと言うのです。
目撃証言が当日着ていた服装と異なっている!
林真須美死刑囚の長男が事件の真相について発信しているTwitterに『目撃証言と自身の服装が異なっている』との内容の林真須美死刑囚本人の手紙が投稿されています。
母からの手紙 pic.twitter.com/hWsIqtD3lO
— 和歌山カレー事件 長男 (@wakayamacurry) May 3, 2019
林真須美死刑囚が犯行におよぶ動機がない!
林真須美死刑囚の長男によると、裁判の判決文に『動機は未解明』と記されているそうです。
検察は『近隣住民とのトラブル』と見ていた報道がでているが、無差別に殺害する動機とは考え難いです。
また、林真須美死刑囚は、毒物混入・無差別殺傷の容疑以外に保険金詐欺を夫(健治さん)と共謀した事実があり逮捕されています。
その事件概要は、夫自らヒ素を摂取し高度障害の認定をもらい保険金を騙し取るもので、合計3億円相当の保険金を受け取っていました。
そのような犯罪を起こしている最中、保険金詐欺に必然的に疑いが掛かる『ヒ素による無差別殺傷』を行うでしょうか?
以上から犯行におよぶ動機も明らかとなっていないのです。
何故犯人扱いされ死刑判決が出ているのか?
冤罪となり得る証言や情報が多くあるなか、何故犯人と断定され死刑判決が下されたのでしょうか。
各情報によると以下の2点が要因として挙がってきました。
・林真須美死刑囚の取り調べ中の挑発的な態度が検察官と刑事を激怒させ死刑判決へ誘ってしまった。
・林真須美死刑囚が犯人である事の報道が過熱し、検察側も後に引けない状態となっていた。
この情報について、実際に検察から話を聞いたのが、夫である健治さんなのです。その動画がコチラ。
最後に
事件当時の報道が盛り上が過ぎ、色々な情報が錯そうしたこともあり、冤罪の可能性も否めない状況となっています。
仮に証拠不十分となれば無罪の判決もありえない話では無いと思います。
林真須美死刑囚が、犯行を行っておらず無罪だった場合、過去最大級の冤罪となることでしょう。
真相は、犯人しかわからない事ですが、法の下、適正な判決が下されることをお祈りします。
コメント